渡 仁 ブログ 釜の口窯

振り返ればあっという間に時は過ぎてしまいましたが、本当にいろいろな変化の3年でした。11代の父 久兵衛の他界、子供たちの成長、またある機会を得てたくさんの旧交を深めることができたりと、辛くて楽しい3年だった気がします。 今春 町では図書館歴史資料館が新設されることとなり、それに向けての取り組みにおいてこれまでいくらかお手伝いもしてきました。3月20日のオープン時には遠州流の小堀宗実家元が来訪され茶会や講演会が催されます。歴史を背負うことの重さと共に先祖達への畏敬の念と感謝の気持ちを改めて感じています。そうした中で今から62年前 昭和30年に日本陶磁協会や町の教育委員会 東京大学などの合同チームによって発掘調査された上野焼創成期の窯跡 釜の口窯 への思いを強くしました。当時はまだ調査後の保護やしっかりとした体系付けなどがほとんど行われずじまいで、いつの間にか現存する日本でも最大級の登り窯跡である 釜の口窯 は忘れ去られ今では孟宗竹や草木によって浸食を多大に受けています。未来を創っていくためには先だけを見るのではなく歴史をもう一度見直してこそ次に繋げていける鍵がそこに隠されているのではないかと思っています。釜の口窯の再調査に向け尽力に努めたいと思っています。

2017年01月20日(金)